日本が3D化される日

上の画像を見て何のアプリか分かりますか?
ある地点の航空写真のようですね。Googleマップだと思った方は多いようですが、実は違います。
国土交通省が進めている、プロジェクト「Project PLATEAU」なんです。
都市3Dデータの整備・公表計画で、東京23区からスタートして、都市データの航空写真や3Dデータやメタ情報などを、オープンデータ(つまり無料)で公開しています。
結構、頑張ってるんですね。
PLATEAU(プラトー)
上の画像は、国土交通省の「PLATEAU」データを、可視化ツール(Webアプリケーション)の「PLATEAU VIEW」で表示した、新宿区です。
ズームしてみると、3Dの建物が表示されています。これが白っぽく見えていました。
衛星写真の上に3Dオブジェクト(建物)を配置しています。
建物をクリックしてみると、赤っぽくハイライトし建物の属性情報が表示されます。
- 計測高さ
- 面積
- 地上・地下階数
- 用途
- 住所
- (準)防火地域か?
リアルな表現も可能
設定パネルで「テクスチャ付き」を選択すると、再描画が始まり、テクスチャが張り付いた3Dの建物が表示されます。
「テクスチャなし」の状態よりも建物が少なくなっています。
テクスチャがある建物のみ描画するのか、私のパソコンのスペックが低すぎて表示できるオブジェクト数が減ったのかは分かりませんが、スペックの低い私のパソコンでは描画完了まで2~3分待ちました。また、メモリも多く使用する為12Gのメモリを最大に使い、その後操作しようとしましたが、固まってしまいました。
建築物の詳細度
建築物の詳細度は、下記のように分かれており順次公開されていくということです。
詳細度
- LOD1:平面の国土地理院地図をもとに建物の外枠を作り、高さだけを補完
- LOD2:さらに屋根形状やテクスチャーを追加
- LOD3:窓などの詳細な形状を含む
- LOD4:建物の内部を含める
建物は時間がたてば、建て替えられたりしますが、一回作った後どのタイミングで更新されるのでしょうか?LOD4の「建物の内部」だと、外観以上に変更は多いので参照したデータが古かったということが頻繁に発生しそうです。データの品質・鮮度の担保はどうしていくのか、興味があります。
国土交通省の狙い
これまで、Googleマップや、ストリートビューを使うことが多かったと思います。
国土交通省の狙いとしては、GoogleやAppleなどの地図・地形データは、企業のデータであり有償のデータです。有償の認識は少ないと思いますが、GoogleマップのAPI(開発用でマップにアクセスする為のプログラム)では、マップにリクエスト何回で、費用が決まっていたりします。
国土交通省としては、他企業のデータを使うのではなく、自前のオープン(無償)データで、様々な分析・可視化ができるようにと整備を進めているようです。
3D都市モデルを体感できるWEBアプリ | PLATEAU VIEW | PLATEAU [プラトー]
PLATEAUのデータをプレビューできるブラウザベースのWEBアプリケーション「PLATEAU VIEW」について紹介する。
今後
今は、東京都のみですが日本全国に手を伸ばすようです。今後、自分たちの街が、どのように3D化されるのか期待しましょう。
また、建物の3Dを表示するだけでなく、駅や病院などの施設を注記で示す機能がありますが、駅名は表示できましたが、病院は表示されませんでした。
また、想定規模/想定最大の浸水ランクを川ごとに表示する機能も、ボタンとしてはありますが特に変化が無かったのでこれから実現されていくのでしょう。
まとめ
Googleマップ・ストリートビューは非常に膨大な時間を費やして構築されています。写真でも相当な費用と時間が掛かっていますが、3Dモデルだと更に時間が掛かる作業になります。今から後追いで、何年かけて実現するのか気になるところです。
このプロジェクトの目的は、全国の3Dデータを作る事ではなく、シミュレーション、ビジュアライゼーション、エンターテイメントなどデジタルと実世界の融合(デジタルツイン)を目指しているので、ご自分の街が3D化されていないと文句を言うのは、筋が違うかもしれませんね。
私は、このような国の税金を使って整備しているデータを、これまでは一部の研究機関のみが使うだけだったものが、オープン化されたことは評価できますし、今後の発展の加速にも寄与すると思います。