熱海の土石流被害を教訓に、土地購入時には盛土地区かを把握しましょう
静岡県熱海市伊豆山地区で発生した土石流の災害で、原因とされている「盛り土(盛土)」の造成した業者の話題がホットですね。
これから、マイホームをご購入される方は、特にどのような土地に住むかの選択肢に「地盤」というキーワードを追加して検討した方が、良さそうですね。
土地さがしについて
当たり前の話ですが、ハウスメーカーでの自由設計、建売住宅、マンションなど住宅購入の形態は様々ですが、それらの上物に対して必ず必要なものが「土地」になります。
どこの土地を購入するか選定の優先度は人それぞれです
土地選定の基準
- 利便性(店舗・駅・公共施設)
- 会社からの距離
- 育児の環境(学校・公園・病院)
- 友人・親戚との距離
- 都会度・知名度
- 気候・風土
災害が多い日本では、土地購入の際には自分の土地についての質を、購入前に理解し納得の上でマイホームを建築したいですね。
災害を考慮した土地探し
私が一条工務店でマイホームを建てた時期は、豪雨被害が県内で発生したこともあり、「川の近くだと氾濫した時に危険だから避ける」ようにしていました。
また我が家は、一条工務店の免震住宅ですので、地盤調査で強い地盤かの診断があったのもあり、「盛り土」や「切土」などのキーワードも打合せ時から盛んに出ていました。
ただ、良く分からないので「一条さんが良いと言えばOK」くらいに思っていしたが…
地盤が弱そうな土地は、元々田んぼの地域を造成して住宅地にしたところは、地盤が弱いということで避けたかったですね。最近では液状化地域なんてのもあり、どこに住んでも何らかのリスクは伴うのではないかと思ってしまいます。
盛り土の危険性
なぜ盛り土の土地が生まれるのか考えてみましょう。
日本は73%が山地の島国ですね。平地の住みやすい良い土地は、平安の時代から人が住み着き残っていないです。
よって、新たな土地のニーズがあると山を切り開いて土地を造り出します(造成)。しかし山ですからアップダウンが多く、そこを平らにするには「山の部分の土」を「谷の部分」に埋めて平らにします。
土を捨てるのも高い費用がかかるので、造成業者は削った土を自分の土地に処分できるのでこの方法は非常に合理的です。
先日、熱海の地滑りで土石流での被害で、「盛り土」は崩れるという印象を強く受けたと思いますが、実は地震にも弱いです。
盛り土は元々の地盤の上に土を盛ります。元々の地盤は長い年月その地形のままなので、カッチカチです。その上に、削った土を乗せますので、短時間で圧縮したくらいでは元の地盤よりは弱いです。
これだけでも盛った土は弱そうですが、地質の違う2つの地盤で大地震が来ると、地質の違う境目が弱そうですね。熱海の土石流も地質の境目に水流が生まれ、盛った土が流れたということでした。
土地の素性を確認する方法
市役所で調べたり、昔の地図で調べたり・・・と聞いたことはあると思いますが、面倒すぎてやる気がでませんね。
一つ割と簡単に災害のリスクについて、調べられる方法がありますのでご紹介したいと思います。
国土交通省の重ねるハザードマップというサイトがあるので、こちらで災害発生のリスクを検索することが誰でも無料でできます。
重ねるハザードマップで熱海市の土石流災害の地域付近(←こちらのリンクから同じ地図を表示できます)確認してみました。
ちょうど、真ん中の上の方の、赤い部分から海に向かって、黄色の警告地帯となっています。
赤い部分が盛り土かどうかまでは分からないですが、非常に危険な地域と表示されています。
このように災害を予測するツールを政府が公開してくれていますので活用していきたいですが、もっと宣伝して欲しいですね。
他にも、様々な観点で災害ハザードマップをインタラクティブに検索することができますので、是非使ってみてください。
災害情報
- 洪水
- 土砂災害
- 高潮
- 津波
- 道路防災情報
- 地形分類
液状化の発生傾向マップ
液状化は、東京の埋め立て地は当然ですが、内陸部でも注意が必要な地域が多いのが意外でした。
(マップはこちら)
洪水マップ
名古屋付近の洪水のマップです。先ほどの東京のマップだと、名古屋全域が洪水の心配がありますね。南海トラフ地震の時は、津波の心配もありますので、都会だから良いという考えはリスクがありますね。
まとめ
「盛り土」が危険で悪ということをお伝えしているのではないです。
しっかり基準を満たした工事がされていれば問題は無いはずです。ただ、我々が造成された土地を見て、しっかり工事がされたかを判断する術はないでしょう。熱海市も造成業者の審査をして管理責任があるはずなのに、「自分たちが知らないうちに勝手に業者が・・・」みたいな発言をしていて、業者からすると好き勝手にやれる業界なのではないかと疑ってしまいます。